手縫いの魅力

『手縫いって、他と何がちがうの?』
『なにかメリットがあるの?』

革好きな人もなかなか知らない
手縫いの魅力と手法を大公開

手縫いの魅力

・ステッチラインの美しさ

ミシン縫いと手縫い

手縫い製品はステッチラインの美しさが魅力。

ひと目ひと目しっかりと引き締められた麻糸が、革表面になめらかな凹凸を作りだし、革全体にリズミカルに続く姿は見ていて飽きることがありません。
また、手縫いの特徴でもある「縫い目の微妙な傾き」が、単調に見えがちな縫いのラインにアクセントを生み出します。

「手縫い」と「革」の組み合わせだからこそ実現するラインの美しさを、どうぞご堪能ください。

・丈夫さ【1】 −締め付けのコントロールと補強縫い−

手縫いの技術・締め付けの調整

手縫いによって完成した革製品は丈夫さが違います。
なぜならば手縫いは、使用する革や部位、製品ごとに異なる革の厚みを考慮して、締め付ける力を変えられるからです。

力のかかる部分は補強する、飾り縫いの部分は適度に…
このように臨機応変に締め具合をコントロールできるのが手縫いの魅力。
「すべて強く」でも「すべて弱く」でもなく、必要な部分にピンポイントで必要な処理を施せます。

そうして作られた手縫い革製品は「丈夫」になり、永くお使いいただけるモノになります。

・丈夫さ【2】 −縫い方の仕組−

ミシン縫いと手縫い(縫い方)

手縫いとミシン縫い。
見た目にはわかりませんが、根本的に縫い方が違います。

ミシン縫いの場合、表糸が裏糸を「すくって」います。表の糸は常に表、裏の糸は常に裏です。
一方、手縫いの場合は、2本の糸が交差する縫い方をします(8の字縫い)。表と裏の糸は穴を通るたびに逆転することになります。

この縫い方の違いは、丈夫さに大きく影響します。
はっきりとそれが分かるのは糸が切れたときです。

右の画像で糸が切れたとします。
手縫いならどっちが切れても簡単にほつれることがありませんが、ミシン縫いは青い糸が切れると連鎖的にほつれてしまいます。
(また手縫いは、万が一ほつれてしまっても簡単・確実に修理することができます。)

・手縫いの材料と処理 −麻糸と蜜蝋−

材料(麻糸と蜜蝋)

ミシンの場合、糸はポリエステルが一般的ですが、手縫い糸は麻糸(ヘンプ)を使用します。
ただ、麻糸をそのまま使うことはしません。麻糸は乾燥に弱く、そのまま縫い続けるとそれだけで糸が傷ついてしまうからです。
そこで、縫いを行う前に「蜜蝋(みつろう)」を糸に塗りこみます。

蜜蝋を麻糸に塗りこむことで、
「糸を乾燥から守り丈夫にする」
「滑りにくくする」
という効果が得られます。

これにより麻糸はとても強くなり、手縫い作業時の傷はもちろん、完成後の日常的な”こすれ”からも糸が守られるのです。
また、蜜蝋のしみ込んだ糸は滑りにくくなるため、完成後にもし糸が切れたとしても、糸同士が摩擦を起こしてほつれにくくしてくれます。
また、摩擦効果により糸と糸が互いにテンションをかけてくれる状態になりますので、製品に余分な弛みや歪みが発生するのを抑えてくれます。